2014.02.19

新生ガンバの意外な企み。遠藤保仁「FW」起用の真相

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 どうやら、ガンバ大阪の長谷川健太監督は、考えを固めたようだ。遠藤保仁のFW起用について、である。

 J2で戦った昨シーズン終盤に採用したFW宇佐美貴史と遠藤の2トップを、J1に復帰した今シーズンも引き続き「ファーストチョイスとして考えている」と明かしたのだ。

J1に復帰した今季もFWでプレイする遠藤保仁。 宮崎・綾町キャンプの最終日となった2月15日、ヴァンフォーレ甲府との練習試合でも、前線には”日本代表のボランチ”の姿があった。

 遠藤がガンバで前線に入ったことは、過去にもあった。印象深いのは、西野朗監督に率いられ、アジアチャンピオンズリーグを制した2008年だ。このシーズンの途中、遠藤はボランチからトップ下にコンバートされ、1トップのルーカスの近くでプレイ。相手DFの裏に飛び出し、フィニッシュへと持ち込む姿は、それまでにないものだった。

「ヤット(遠藤)はシュートがうまい。それをゴールの近くで生かしたいんだ」

 ときの指揮官には当時、そんな思惑があった。

 そこで、長谷川監督である。現指揮官の狙いも、そこなのか。いや、遠藤をFWで使う理由は、別のところにあるようだ。

「狙いは前線でポイントを作ること。ヤットはいい位置でボールを受けて、起点になるのがうまいから」

 相手DFの間にポジションを取って、味方からボールを引き出し、DFが食いつく瞬間にさばいて、ラインに生じたギャップを突く。バイタルエリアに潜り込んだ選手に絶妙なタイミングでボールを入れる側だったのが、巧みなポジション取りとタイミングで顔を出し、ボールを引き出す側に回った。優れたパスの出し手は、優れたパスの受け手でもあるわけだ。