2014.02.18

ACLまで勝ち点5。アジアトップレベルを目指す新潟の本気度

  • 大中祐二●文 text by Onaka Yuji photo by AFLO

 シーズン開幕前に1ヵ月以上の長期キャンプを行なわなければならないのは、雪国のJクラブ、アルビレックス新潟の宿命だ。例年ほど積雪がないとはいえ、今年も静岡・沼津での1次キャンプ(1月24~1月30日)、高知での2次キャンプ(2月2日~2月15日)を経て、2月18日から静岡・清水での3次キャンプと、地元に落ち着くことなくトレーニングの毎日。3月1日のアウェーでのJ1開幕戦――ベガルタ仙台戦に向けた準備が着々と進められている。

昨シーズン、23ゴールを挙げて新潟の攻撃を牽引したFW川又堅碁 そんな長期キャンプも折り返したあたり。高知での2次キャンプ半ばに予定されていたのが、中国スーパーリーグ・山東魯能(さんとう・ろのう)との練習試合だった。本田圭佑とCSKAモスクワでチームメイトだった元ブラジル代表FWワグネル・ラブや、オーストラリア代表DFライアン・マッゴーワンらを擁する山東は、昨年リーグ2位のチーム。3度のスーパーリーグ優勝を誇り、今年はセレッソ大阪、韓国の浦項スティーラーズ、タイのブリラム・ユナイテッドと同組でAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)を戦うアジアの強豪だ。

 沼津での1次キャンプは、ほぼフィジカルトレーニングに費やされ、高知キャンプから本格的なボールトレーニングが始まったことを考えれば、2月25日にACL初戦のブリラム戦を控えた山東と仕上がり具合に差があることは容易に想像できる。トレーニングゲームとして対戦するにしても、タイミング的に少しタフすぎる相手に思われた。

 結局、山東の新コーチングスタッフのビザ取得の関係でトレーニングゲームは実現しなかったのだが、新潟の柳下正明監督は率直に残念がった。「やりたかったよ。キャンプの途中だけれど、その段階でどれだけ戦えるか。自分たちのやろうとしていることが、『あ、これでいいんだ』と分かればいいし、変えなきゃいけないところが見えてくれば、それもプラスになったはずだから」。アジアを舞台に戦うことを完全に意識した発言だ。

 昨年、新潟はリーグの最後を5連勝で締めくくり、7位でシーズンを終えた。順位こそ2007年の6位に次ぐものだったが、積み上げた勝ち点55は2004年のJ1昇格以来、最多を記録。シーズン後半の勢いが特に素晴らしく、2015年からの再導入が決定している2ステージ制であれば、セカンドステージ優勝に相当する快進撃だった。なにより、リーグ3位の川崎フロンターレとは勝ち点5差で、ACL出場圏内にあと少しのところまで迫っていた。アジアレベルでの戦いが、にわかに現実味を帯びつつあるのである。