2014.02.18

ポジション失ったカシージャス。GKは「異質」な存在か?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

「世界最高のゴールキーパー」

 その称号を恣(ほしいまま)にしていたレアル・マドリードのイケル・カシージャスは、昨今は沈痛な表情を浮かべることが多くなった。十代からマドリードのゴールマウスに君臨してきた”聖なる守護神”は、ポジション剥奪の憂き目を味わっている。昨シーズン、ジョゼ・モウリーニョ監督にポジションを外されたときは「人間関係の問題」と思われたが、今シーズンから指揮するカルロ・アンチェロッティにもカップ戦要員にまわされた。

カップ戦では起用されたイケル・カシージャス(レアル・マドリード)「なぜだ!」

 怒りの声を上げたのは、沈黙を守る本人ではなく、むしろサポーターたちだった。

「そのセービングは何度もマドリードを救ってきた。スペイン代表の主将としても、EURO2008,南アフリカW杯、EURO2012と頂点に立った英雄に対し、理不尽だ!」

 しかし、代わりにゴールマウスに立つことになったディエゴ・ロペスはいい面の皮だろう。マドリードのゴールを守る彼は、誰に恥じることもないゴールキーピングを見せているのだ。

 カシージャスとディエゴ・ロペスは同期のGKだが、そもそも対照的な存在である。前者は居残り練習には積極的でなく、試合の中で勘を研ぎ澄ましてきた天才肌、プレイエリアもゴールライン上だ。一方で後者は練習熱心で篤実、プレイエリアは広くリベロのように機能し、カシージャスより10cm以上高い身長を生かして空中戦でも頼もしさを見せる。