2014.02.17

3連覇という偉業達成へ。サンフレッチェに「秘策」あり

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 サンフレッチェ広島がキャンプを張る宮崎シーガイアのピッチに、コーチングの声が響き渡っていた。

「そこ、もう少し寄せられるんじゃないか」
「誰が行くのかはっきりさせよう」
「今、ラインを押し上げて」

 攻撃を仕掛けているのはサブ組で、守備についているのは主力組の7人だ。ディフェンスラインの中央に千葉和彦が構え、その両脇を塩谷司と水本裕貴が固める。両サイドではミキッチと清水航平が状況に応じてラインまで戻り、中盤では青山敏弘と森崎和幸が味方DFとの距離を気づかいながら、代わる代わるボールホルダーにプレッシャーをかけていく。5バックと2ボランチによる連動した守備の確認。お馴染みの光景だった。

 だが、普段と少しだけ様子が異なっていたのは、指示を出していたのが森保一監督ではなかったことだ。当の指揮官はセンターサークル付近からボールを左右に散らし、代わって細かい指示を出していたのは下田崇GKコーチだった――。

今季リーグ3連覇を狙う広島。写真左がFW佐藤寿人、右はMF青山敏弘。 Jリーグ2連覇中の広島は、急ピッチで調整を続けていた。1月1日まで天皇杯決勝(0-2横浜F・マリノス)を戦っていたチームが始動したのは、1月27日。この時点で、今シーズン最初の公式戦(2月22日=ゼロックススーパーカップ/東京・国立)まで1カ月を切っていた。

 2月3日に鹿児島キャンプを打ち上げ、広島に戻って6日から3日間の練習を行なう予定が、積雪のため8日の練習が中止になった。10日に宮崎入りしたあとは、宮崎産業経営大、カターレ富山(J2)、ロアッソ熊本(J2)、ホンダFC(JFL)と練習試合をこなし、22日のゼロックススーパーカップを迎えるという慌ただしさだ。