2014年、ザックジャパンが強化すべきポイントとは? (4ページ目)

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 また、ザッケローニ監督は「3バックにセンターバックを3人並べることはしたくない。なぜなら、彼らは中盤の選手にDFラインへ下がって来いと言うからだ。センターバックはサイドMFを最終ラインに引っ張り込む。そして、自分がサイドに出たがらない」とも言っていた。

 中盤4人のうち両サイドが下がってしまっては、5バックになってしまう。そうすると、3トップも下がってくることになる。すると、5-4-1になってしまう。「これはまったく私の哲学ではない」と。

 日本代表のフォーメーションとしては、4-2-3-1という世界的にオーソドックスな形が基本であると思うし、それが選手たちにとってストレスがないとは思う。ただ、その中で3-4-3というオプションを含めてどういうサッカーを展開していくのか。どんなフォーメーションであっても、オランダ、ベルギー戦のように全体をコンパクトにしてラインを高くし、相手に自由な時間とスペースを与えないこと。それを続けていってほしい。

■6月の本番へ向けて日本に必要なもの

 6月のW杯本大会のグループリーグの対戦相手を見ると、初戦のコートジボワールにはドログバ、第2戦のギリシャにはサマラス、第3戦のコロンビアにはファルカオと屈強なFWがそろう。それに日本のDF陣がどう対抗するか。

 まずは1発でやられないということが重要で、もうひとつは、高いラインを引いてボールの出所をしっかり押さえて、質の高いボールが入ってこないようにすること。これが守備として第一に必要になる。

 極論すると、前線にファルカオがいようが、ドログバがいようが、そこにボールが来なければ問題ないわけだから、まずパスの出所を押さえる。万が一入ってきた時には、彼らを自由にさせない。体を預けて、人数をかけて守る。そして、ボランチがセカンドボールを拾う。当たり前のことだが、それを90分間やり続けることができるかどうか。

 もちろん90分間で1回や2回はやられてしまうシーンもあるだろうから、そこは全員でケアをして、できる限り対応するしかない。その意味でも、ラインを高くしてコンパクトにするということが大前提になってくる。

 後ろのスペースは、GKも含めてうまくコントロールしなくてはいけない。当然引かざるを得ない時はあると思うが、ラインの上げ下げの駆け引きは、こまめにやっていかなければいけない。そのために、ザッケローニ監督は今野と吉田のセンターバックコンビにしているのだと思う。あらゆる局面で1対1では守りきれないから、繊細なラインコントロールが求められる。

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