2014年、ザックジャパンが強化すべきポイントとは?

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 2014年はいよいよワールドカップイヤー。6月に開幕するW杯ブラジル大会でザックジャパンがどのような戦いを見せてくれるのか楽しみだ。日本代表は、昨年まで攻撃にしても守備にしても、それぞれ成長した部分と、まだ課題として残っている部分がある。本番へ向けて、どこがポイントになるのか考えてみたい。

オランダと引き分け、ベルギーに勝利して2013年を締め括ったザックジャパンオランダと引き分け、ベルギーに勝利して2013年を締め括ったザックジャパン■強豪相手に苦戦したコンフェデ杯の教訓

 2013年6月のコンフェデレーションズカップでは、強豪相手(ブラジル、イタリア、メキシコ)に3連敗し、イタリア戦以外は内容も悪かった。さらに、8月には南米の強豪ウルグアイと対戦して2-4で敗戦。そのため、厳しい見方をされる時期もあった。

 それぞれの試合で試行錯誤していたと思うが、いろんなことにチャレンジしすぎている感じで、とくに前線の選手が「どれだけやれるのかやってみよう」という姿勢が強かった印象だ。ただ、そうすると守備がおろそかになってしまう部分もあり、前がかりになってバランスを崩して失点してしまう試合が多かった。

 守備に関して言うと、これはザッケローニ監督も言っていたが「日本はボックス(ペナルティエリア)の中で守るべきではない」。それはなぜか。高いボールに対しては世界の強豪相手にほとんど勝てないからだ。極力ボックスの近くで守らないようなやり方、つまり最終ラインを高めに設定するということが、日本の守備では最優先課題になる。引いて守るのは得策ではない。

 ラインを下げて、守備を固めてW杯でベスト8以上に行けるかと考えると、私は確率として厳しいのではないかと思う。だから、高さとフィジカルという日本の弱点を考慮して、DFラインは極力高くするべきだと思っている。

 そして、コンパクトな状況で、高い位置でプレッシャーをかけてボールを奪いたい。そうすることで、自陣ゴール前で高いボールを競らないで済む。それはバルセロナのスタイルに似ている。バルセロナは、守備についてはクロスをはじき返す局面は少ない。その代わり走って守る機会が多い。日本もそういう守り方をしないと、高さとフィジカルというウィークポイントを補うことはできないだろう。

 そのためには、最終ラインのライン設定が重要になる。個の力で守りきれない日本は、DFラインの統率と高さの設定が守りの生命線だ。ラインがうまくそろわないで、裏を突かれてやられた典型例が、8月のウルグアイ戦だった。最終ラインを高く設定することに不安を感じて、思い切ってラインを上げることができず、中途半端になってオフサイドがかからなかった。コンフェデで失点が重なり、自信を失って迷いもあったかもしれない。そして、ほんの一瞬の判断の迷いから先制されて、慌ててしまった。

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