1試合1ゴール以上。実はスゴいぞ、今季の宇佐美! (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun photo by AFLO

 そうした意識の変化が、随所にプレイ面で良い影響となって表れている。特に目立ったのは、思い切りの良さだ。常にシュートを意識しているので、今の宇佐美のプレイには迷いがない。

 また、ゴールの内容も多彩になった。8月18日のコンサドーレ札幌戦では、横パスか、横に流れると見せかけて、急に縦にドリブル突破してシュートを決めた。さらに翌週のガイナーレ鳥取戦では、今まで見せたことがない強烈なミドルシュートを左足で決めた。そして10月27日の徳島ヴォルティス戦では、クロスをワンタッチで決めた後、ドリブルなどで3得点を奪っている。

「パスを散らしながら、自分が内に入っていくプレイをせなあかんって(長谷川健太)監督からも言われているし、(鳥取戦の)ミドルは出来すぎでしょ。まぁ、いろんなパターンで点が取れるのはFWとして大事なことやし、あとはゴール前で冷静でいられることが、点を取れている大きな要因かなと思う。リベリとか、『どんだけ落ち着いてんねん!』っていうぐらい冷静でしょ?」

 気持ち良く点が取れているからだろうか、悪癖もなくなったようだ。以前は調子の波が大きかったが、そのムラっ気がなくなり、途中で試合から消えることも非常に少なくなった。

「それは、ボールにたくさん触れられているから。自分は誰よりも多くボールに触れていたいし、それができないと気持ち悪いんです。ガンバではボールがよく自分に入ってくるし、ボールに触れることをみんなも認めてくれているんで、自分のリズムでプレイできるようになった。その時間が長くなったんで、消えることも少なくなったんやと思う。今、ガンバでのプレイはめっちゃ楽しいですし、自分の中ではFWがベストポジションやなって思いますね」

 チームメイトの今野泰幸は、宇佐美についてこう語る。

「(宇佐美)貴史にボールが入ると、攻撃のスイッチが入るというか、何かが起こりそうな感じがする。そして実際、何かが起こるし、点も決めるんで、本当にすごい選手だなって思います」

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