快進撃のあとは1勝15敗。大宮ファンは今、何を想う... (2ページ目)
7月13日(第16節)の横浜F・マリノス戦、7月17日(第17節)の川崎フロンターレ戦と今季初の連敗を喫して首位陥落すると、そのまま5連敗して8月11日にはズデンコ・ベルデニック監督が電撃解任された。負け続けていたチームは監督解任で一層迷走し、連敗は8まで伸びた。そして、8月31日(第24節)のF・マリノス戦で1カ月半ぶりに勝利したものの、続く9月14日(第25節)のアルビレックス新潟戦から再び7連敗中だ。前半戦の快進撃がウソのように、7月11日から16試合戦って1勝しか挙げられず、例年どおりの『定位置』に落ち着いてしまった。
3試合を残し、12勝3分16敗の勝ち点39で13位。夏場まで「現実的な目標」と言えた優勝争いから脱落すると、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場圏からも一気に転がり落ちた。一方、10月27日(第30節)の名古屋グランパス戦では相手に7試合ぶりの白星を献上したものの、残留が確定。来季、10年連続J1で戦うことが決定した。
「この時期に降格を心配しなくていいのは、進歩かもしれません......。まあ、前向きに考えるしかありませんよ」
内山さんはそうボヤいたが、激動の1年には多くのプラス面があったことも確かだ。
森山さん(女性/30歳)は前半戦の快進撃をテレビで見て、練習場に足を運んでみると、オレンジ軍団の虜(とりこ)になった。
「GKの北野貴之選手をはじめ、サッカーへの熱い思いが伝わって来て、『いいな』って思いました。ただ、勝っているチームを見て好きになったんですけどね......。来年、また今季前半みたいなチームが戻ってきてくれればいいんですけど」
勝利する姿はライト層を魅了すると同時に、ライバルの心にも訴えかけるものがあった。5年前から大宮を応援する町山さん(女性/28歳)によると、「レッズから大宮サポに転向した人もいる」という。
松崎さん(男性/45歳)は、大宮がJ1に昇格した2005年、"赤"から"オレンジ"に贔屓(ひいき)チームを変えたひとりだ。
「レッズファンだったころも、大宮のクリーン作戦(ボランティア清掃)やチラシ配りなどに参加していたんですよ。自分の地元の町にいろいろしてくれるのが好きだった。一時期は両方のファンだったけど、『やっぱり同じ赤系を着られない』と思って。大宮は暖かいし、居心地がいいんですよ」
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