2013.09.15

データは最下位でも首位キープ。
横浜F・マリノスの「隠れた正体」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 Jリーグは2012年シーズンから「+Qualityプロジェクト」と称し、試合自体の魅力向上を目指す取り組みを行なっている。簡単に言えば、試合中の異議行為や遅延行為などをなくし、90分間のなかでプレイが止まっている時間を減らしていくことで、試合の質を高めていこうというものだ。

 その一環として、Jリーグは現在、試合ごとのアクチュアルプレイイングタイムを公表している。アクチュアルプレイイングタイム(Actual Playing Time。以下APT)とは、試合開始から終了まで実際にプレイされた時間のことで、アウトオブプレイやファウルなどで試合が止まっている時間を差し引いて算出されるのだが、これが興味深い結果を示している。

第25節のセレッソ大阪戦は1-1とドローも、首位をキープした横浜FM

 9月11日に発表された最新データ(第24節終了時)によると、クラブ別の平均値で現在J1首位に立つ横浜F・マリノスのAPTが51.57分と、J1の18クラブ中最短なのである。つまりJリーグが示す数字のうえでは、首位・横浜FMは質の高い試合を提供できていないということになるわけだ。

 優勝を争っている3位の広島が61.24分でJ1最長。同じく2位の浦和が58.37分で広島に続いているのとは対照的。最長の広島と最短の横浜FMとの間には、実に10分近い差がある。

 広島や浦和のような、パスを細かくつないでじっくり攻めるポゼッション志向の強いチームがAPTを長くする傾向にあることは理解できる。この数字だけを見て、マリノスのサッカーがカウンターや、セットプレイ頼みで、面白みに欠けるという先入観を持つ人もいるかもしれない。