2013.09.14

香川、柿谷、南野…。若手を次々輩出する「セレッソの企業秘密」

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 益田佑一●撮影(試合) photo by Masuda Yuichi

育成環境で求められているのは
「グローバルスタンダード」

 日本代表が初優勝を飾った7月の東アジアカップ。Jリーグでプレイする選手たちだけで臨んだこの大会に、セレッソ大阪は3人の選手を送り込んだ。得点王に輝いたFW柿谷曜一朗、大会MVPを受賞したMF山口螢、そしてMF扇原貴宏。彼らに共通するのは、セレッソの育成組織出身という点だ。

近年、セレッソで育った選手が続々と代表入り。先日のガーナ戦では、香川、清武、柿谷の3選手が先発に名を連ねた。
 さらに、日本代表の常連メンバーであるMF香川真司とMF清武弘嗣、そしてコンフェデレーションズカップに出場したMF乾貴士も、セレッソから欧州へと巣立っていった選手たち。3人とも2列目のアタッカーとあって、代表の要である本田圭佑も「3人とも速くて巧くて、印象が似ている。セレッソの育成は興味深い」と語ったことがある。

 そして、来年のワールドカップに向けて、重要なテストマッチとなった9月10日のガーナ戦では、柿谷、香川、清武の3人が日本代表の先発に名を連ねた。

  なぜセレッソは、若く才能あふれる選手をこれだけ多く輩出できるのか。

 その謎を探るには、下部組織、トップチームの両方に迫る必要がある。そのカギを握るふたり――育成部門の最高責任者を務める宮本功氏と、強化部長の梶野智氏を訪ねた。

 かつて、セレッソの前身であるヤンマー(JFL)でプレイしていた宮本氏が、セレッソのフロントとしてクラブに復帰したのは、2004年11月のことだった。この頃のセレッソは、2002年にJ2に降格し、1年でJ1に復帰したものの、低迷が続き、チームにかけられる予算も厳しい状況だった。

「最初に目についたのは、育成環境の脆弱さでしたね。予算が少なく、積極的な補強ができないなら、なおさら自前の選手を育てなければならないのに、育成までお金が回っていない。どうにかお金の流れを変えて、仕組み作りをしなければ、と考えたんです」