2013.08.24

小林祐三(横浜FM)のSB論。「守りでは誰にも負けない」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

今季もリーグ戦全試合に出場している横浜F・マリノスの右サイドバック、小林祐三世界基準のJリーガー~連載・ブラジルW杯を狙う刺客たち(5)~小林祐三(横浜F・マリノス)

「ブラジルW杯ですか? 代表について聞かれるのは慣れていないんで、どう言えば分からないんですけど」

 小林祐三は苦笑しながら、こう続けた。

「一回でも、呼ばれてみたいというのはありますよね。Jリーグでコンスタントに出場を続けてきて、自信は持っているつもりです。右SBとして、サッカーがうまくなっている、という実感もある。クロスの精度、プレスが懸かったときのボール処理、DF対応……隣の人(右CBとしてマリノスとパートナーを組む栗原勇蔵)は代表にいて、チームで培っている信頼関係もありますから」

 コンフェデレーションズ杯で3連敗した日本代表では、メンバーが固定化する中、「競争力を上げるべき」という世論が強まりつつある。代表候補に名前の出る選手は少なくなくなった。

 しかしその中に、小林の名はまだあがっていない。

 その理由の一つは、右サイドバックが内田篤人、駒野友一で”鉄板”のポジションだからかもしれない。次世代としては、クロスの精度という見栄えの良い武器を持ったロンドン世代の酒井宏樹もいる。3人に比べれば、小林のプレイは玄人好みで派手さはない。

 だが、小林が所属する横浜F・マリノスは2013シーズン、堂々と首位を争っている。走力も高さも備え、人への強さもさることながら、カバーリング能力も高い。日本人ディフェンダーとしては突出した責任と自負を感じさせる。コンフェデ杯に続いて、ウルグアイ戦でも日本は強豪を相手に守備力の低さを露呈した。日本がブラジルW杯で格上の相手を打ち破るには、持ち場を守れる男がなにより必要となるだろう。

「自分としては誰にも負けていないと思うんですけどね。得点やアシストみたいに”ポップな活躍”が必要なのかも。そんなタイプの選手じゃないんですけど」

 ヘアカラーだけはポップな小林は、低い声で言った。