2013.08.07

Jリーグにビッグクラブが存在することの功罪を考える

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■ビッグクラブのないJリーグの魅力と課題

 現在のJリーグは、どのクラブにも優勝の可能性があるといっても過言ではないほど戦力差のないリーグで、競争の激しい状態といえる。たとえば、昨季残留争いをした大宮が首位を快走しても、ちょっとした驚きではあるけども、ものすごい驚きではない。多くのクラブに優勝する可能性がある。それは世界の主要リーグではあまりないことで、非常にスリルのあるリーグといえる。

 ただ、それだと世界レベルの競争力を持つことが難しい。そこをどう考えるか。今シーズンのAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は、4チーム(広島、仙台、浦和、柏)が出場し、結局、柏だけがベスト8に残った。2007年に浦和、2008年にガンバ大阪がACLで優勝してから5、6年が経過した今、アジアの情勢が変わってきていることに、もっと目を向けなければいけない。

観客動員数でリーグを引っ張る存在の浦和。ビッグクラブへと発展していけるか? まず、資金力という点で、Jリーグのクラブとほかのアジアのクラブの間に大きな差がある。浦和が今季のACLで対戦した広州恒大(中国)との試合で、日本のサッカーファンもアジアの各クラブの力がアップしていることが分かったと思う。広州恒大にはルーカス・バリオス(パラグアイ代表FW/元ドルトムント)がおり、推定年俸10億円とも言われるマルチェロ・リッピ監督(元イタリア代表監督。2006年W杯ドイツ大会で優勝)がチームを指揮している。

 中国だけではなく、タイのクラブも力をつけてきており、中東のクラブもかなりレベルアップしてきている。とくにカタールのクラブは、金に糸目をつけずに選手を集めている。JリーグのクラブがACLで優勝することはさらに難しくなっていくだろう。

 Jリーグがアジアの中で存在感を示せず、下に見られてしまうことは決していいことではない。これは、ACLに出場するJリーグのクラブが勝てないのではなく、見方を変えれば今のJリーグに強いクラブがないことの証左でもある。日本代表はアジアでトップにいるのに、クラブはそうではないということなのだ。