【Jリーグ】驚異的な進化。浦和レッズはバルサになれる!? (3ページ目)

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 あらゆる面でレベルアップしている浦和だが、あえて課題を挙げるとすれば、第一はやはりフィニッシュ。この試合では個人で打開できた面があったけれども、どうやってフィニッシュに持っていくのか、さらなるパターンの構築が必要だろう。例えば、磐田戦の後半、相手のギャップをついたマルシオ・リシャルデスがパスを受けると、すかさず敵の裏へ抜けた興梠にスルーパス、というシーンがあった。そんなふうに、裏に抜け出した選手が最後はシュートを打つだけ、という形をもっと増やしていきたい。

 そしてもうひとつは、磐田の守備のサポート、要するに守備への切り替えや、ボールを奪いに行くアプローチのほうが、浦和の攻撃のサポートよりも速いときがあった。それでも、浦和のほうが6割、磐田が4割といった比率で浦和が勝っていたけれども、相手をなおも圧倒することを考えたら、その比率を8:2とか9:1ぐらいにしていきたい。

 スペインのバルセロナが相手を圧倒できるのは、それぐらい攻撃へのサポートが相手の守備のサポートよりも速いからで、浦和もそこを目指していってもいいと思う。相手が守備の陣形を整えたり、ボールアプローチに来たりするスピードよりも速く、前線で動き出した選手のスペースを素早く埋め、ここ一番という状況ではボールホルダーを瞬時に追い越していくなど、攻撃の連係をよりスピーディーに、よりオートマチックにできるようにしていきたい。

 こうしたふたつの課題をクリアできれば、自ずと頂点は見てくると思う。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る