【Jリーグ】広島、浦和に続け。
3バック・ブームは日本でも定着するか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

後方からのビルドアップを行なう浦和のDFライン3人と守備的MFの阿部勇樹後方からのビルドアップを行なう浦和のDFライン3人と守備的MFの阿部勇樹 3月2日に開幕した今季のJ1。まだ2節が終了したばかりで、全18クラブの力関係を見定めるのは難しいところだが、今季の特徴としてはっきりとうかがえるのは、「3バックの流行」である。

 J1王者・広島をはじめ、浦和、湘南、大分は、すでに以前から3バックを採用していたが、加えて昨季は名古屋、今季は柏、磐田といったところが、新たに(4バックとの併用も含めて)3バックを取り入れるようになった。

 振り返れば、Jリーグには「3バック全盛の時代」が、かつてあった。1998年から2002年にかけて、当時の日本代表を率いたトルシエ監督がいわゆる「フラット3」を用いていたころのことである。当時は、少年サッカーであろうと、高校サッカーであろうと、例外ではなかった。

 だが、ひと口に3バックと言っても、10年前とは選手の配置こそ同じでも実体は大きく異なる。かつての3バックは、中央の守備の強化が目的で、すなわち4バックの場合、中央のセンターバックは2枚になるが、それを3枚にすることによって守りを固めようという発想が強かった。

 ところが、最近流行の3バックからは、中盤から前の選手の数を増やすことで、より攻撃的に戦おうという姿勢がうかがえる。それが最近のJリーグで3バックが増えつつある理由のひとつと考えていいだろう。

 たとえば、開幕2連勝を飾った浦和がそうだ。選手の配置を数字で表せば、「3-4-2-1」ということになるが、攻撃が始まれば「4」の両サイドはかなり高いポジションを取るし、「3」の両サイドにしても、どんどん攻撃に絡んでいく。

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