【Jリーグ】頂点を狙うグランパスが目指すべき方向性

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

就任6年目を迎えるストイコビッチ監督はチームをどう立て直すのか。就任6年目を迎えるストイコビッチ監督はチームをどう立て直すのか。2013年Jリーグ「王座奪還」
名古屋グランパス編(2)

 名古屋グランパスにとって、このシーズンオフは"らしさ"が見られなかった。毎年のように大型補強で戦力アップを図り、ストーブリーグを賑わせてきたが、今年はアルビレックス新潟から元日本代表FW矢野貴章を獲得したことが話題になった程度。逆に、FW永井謙佑がベルギーのスタンダール・リエージュに移籍したことや、契約満了で退団した金崎夢生がドイツのニュルンベルクと契約したことなど、主力クラスがチームを離れるニュースのほうが大々的に報じられた。

 この現状を見る限りでは、今季の名古屋の巻き返しへの期待は膨らまないだろう。なにしろ、昨季名古屋が低迷した最大の要因は、得点力不足だった。そのために矢野を補強したとはいえ、ふたりの強力アタッカーを失っては、大きなプラスアルファーは見込めないからだ。

 そのうえ、復活が期待されるケネディも昨年11月に手術をしたばかり。戦力としてどこまで計算できるのか、未知数だ。名古屋の事情をよく知るOBの望月重良氏(S.C.相模原代表)も、攻撃陣についてはやや不安があるという。

「矢野の高さは魅力だし、いい選手が補強できたと思う。ただ、ケネディと同等の働きを望むのはどうだろうか。さらに永井、金崎がいなくなって、攻撃陣のタレント性は確かに弱くなった感がある」

 だからといって、名古屋復活への希望を失う必要はない。タレントよりも、チームとして攻撃の工夫をこらすことが重要だと、望月氏は語る。

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