【Jリーグ】遠藤も歓迎。ガンバを劇的に変えた『長谷川イズム』

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun

今季からガンバ大阪の指揮をとる長谷川健太監督。今季からガンバ大阪の指揮をとる長谷川健太監督。 2月19日、ガンバ大阪が宮崎県綾町でのキャンプを打ち上げた。

 J2に陥落し、一時は多くの主力選手の移籍が取り沙汰されたが、遠藤保仁、今野泰幸の日本代表組をはじめ、明神智和、家長昭博、二川孝広、倉田秋ら主力組のほとんどが残留。昨夏、清水エスパルスから期限付きで移籍してきた岩下敬輔も完全移籍でチームに残った。

 注目されるのは、J2では屈指のこの戦力で、新たに指揮官となった長谷川健太監督がどんなチームを作って、どんなサッカーを展開するか、だ。

 グアムキャンプでは従来どおり、走ることをメインとしたハードなフィジカルトレーニングが行なわれた。特に今年は、単純に走るのではなく、対人練習の中で走るメニューが豊富に取り入れられた。ただ、走るよりも負荷がかかり、質的にはかなりハードだったという。

 昨年は非常に軽いメニューで、90分間戦い切るだけのスタミナや、シーズンを乗り切るための体力強化ができず、多くの選手が危惧していた。結果、その不安は的中し、出足からつまずいたが、今年は少なくともフィジカル面の心配はしなくても良さそうだ。

 戦術的には、昨季大量失点で崩壊した守備の立て直しに重点が置かれた。昨季のガンバは、失点65でリーグワースト2位。リーグ最多得点(67点)だったことを思えば、せめて一昨年並みの失点(51点)であれば、間違いなくJ1残留できたはず。長谷川監督が、何より先に守備強化に取り掛かるのは、当然のことだった。

 宮崎キャンプでの練習では、2対2、3対3などの対人プレイが多かった。さらに、サイドに相手を追い込んだ際には誰を軸にして最終ラインをキープするのか、相手の2列目、3列目が前線に飛び出してきたときには誰がマークにつくのかなど、あらゆる場面を想定して行なわれた。

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