【Jリーグ】柏の覇権奪回のカギは、昨季の「失敗」にあり

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

2012年シーズン、柏レイソルはリーグ戦こそ6位で終わるも、天皇杯では優勝し強さを証明した。2012年シーズン、柏レイソルはリーグ戦こそ6位で終わるも、天皇杯では優勝し強さを証明した。2013年Jリーグ「王座奪還」
柏レイソル編(2)

 2013年シーズン、柏レイソルの逆襲はあるのか。そんな視点で新シーズンを占うと、ひとつのポイントとなるのは、天皇杯優勝によって勝ち取ったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場だろう。

 昨年も徐々に順位を上げ、最終的には6位まで巻き返したうえに、天皇杯では優勝。地力はあると考えていい。となると、怖いのは昨年同様、序盤での躓(つまず)きである。ACLのグループリーグを並行して戦わなくてはならない4月までに、J1は8節を消化する。J1とACLを合わせて14試合をこなす序盤の2カ月余りを、どう乗り切るか。それが、柏の覇権奪回のカギだろう。

 幸いにして、一度経験している効果は大きい。アウェー遠征を含むACLによる試合数の増加で、疲労の蓄積も心配されるところだが、主将の大谷秀和はそんな見方に対して首を横に振る。

「(昨季は)ただ自分たちが勝ちを急いでしまった結果であって、それ(連戦による疲労)はあまり関係ないと思う。開幕のスタートから勝っていればまた違ったと思うし、なかなか勝ち切れなかったり、なかなか勝ち点を積み上げられなかったりして、前がかりになったことが(結果に)影響しているんだと思う」

 攻守のバランスをとるMF栗澤僚一もまた、「一昨年は(リードされても)逆転するのが当たり前だったから、うまくそっちの方向へ持っていけたのに、昨年はそこで焦りに変わった」と言い、勝ち急ぎを戒(いまし)める。

「昨年は、焦って攻めに出て、スペースを空けたところで逆にカウンターを食らうという悪循環だった。そんなに前からボールを奪いにいかなくても、引いて守っているほうがうまくいくときもある。チーム全体でそういう(どこでボールを奪うかという)意識を合わせる必要があるし、守備のところはもう少し修正したいと思う」(栗澤)

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