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【高校選手権】鵬翔、初V! 歴史に残る好ゲームを制した理由

  • 菊地芳樹(ストライカーDX編集部)●文 text by Kikuchi Yoshiki(STRIKER DX)
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

PK戦におよぶ激闘を制して、初の栄冠を手にした鵬翔。PK戦におよぶ激闘を制して、初の栄冠を手にした鵬翔。 第91回全国高校サッカー選手権の決勝は、宮崎県の鵬翔が京都府の京都橘を下し、宮崎県勢初となる優勝を飾った。

 試合は、90分間の戦いを終えて2-2。延長20分を戦っても決着せず、最後はPK戦で勝敗が決まるという大激戦となった。しかも、互いに堅守を維持しながら、鵬翔はセットプレイ、京都橘は2トップという、それぞれの武器をしっかりと使ってゴールを奪った。どちらが勝ってもおかしくなかったし、持ち味を出し合ったゲームは、期待どおり、いや期待以上の好勝負だった。

 そして、見事に勝利したのは、2度のリードを追いついた鵬翔だった。松﨑博美監督は、大健闘の選手たちを何度も称えた。
「気持ちの強い子たちばかりで、(試合を最後まで)諦めなかった。たくましい選手たちを持って幸せです」

 松﨑監督の采配も冴えていた。「相手の背後を突くにはスピードのある選手が必要」と、1点リードされた後半あたまに、MF中濱健太(3年)を前線に投入。すぐにその中濱の突破から得た左CKで、同点に追いついた。

 練習全体の中で特別に力を入れたわけではないというセットプレイだが、今大会はとにかく絶好調だった。このCKのシーンでも、守る京都橘はゴール前に選手たちを2列に並べ、さらに選手間の距離を縮めた守備ブロックを作って構えていた。しかし、鵬翔のMF小原裕哉(2年)のキックは、京都橘の選手間のわずかなスペースに入っていき、そこに走り込んだDF芳川隼登(2年)が、GKより先に頭で触りゴールに流し込んだ。今大会の鵬翔の強さを象徴するような、鮮やかな得点シーンだった。

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