【高校選手権】激戦の大会を彩った、未来の「日本代表」候補

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

準決勝までの5試合で5ゴールを挙げ、得点ランクトップを走る京都橘のFW小屋松知哉。準決勝までの5試合で5ゴールを挙げ、得点ランクトップを走る京都橘のFW小屋松知哉。 昨年12月30日に開幕し、残すところ順延された決勝戦(1月19日/国立競技場)の1試合のみとなった第91回全国高校サッカー選手権大会。今回もまた、将来性豊かな逸材を見ることのできた大会となった。

 その筆頭格と言えるのが、大津のDF植田直通(3年)である。

 186cmと体格に恵まれ、高校生離れした強さと高さを誇る植田は、一昨年のU-17W杯に出場し、ベスト8進出に貢献。昨年もU-19日本代表に選出されるなど、同世代屈指のDFであり、鹿島アントラーズ入りが決まっている大型センターバックだ。

 今大会でもゴール前での空中戦の強さは圧倒的で、ピッチ上でひとりだけ次元の違うプレイを見せていた。今後、鹿島での活躍はもちろんのこと、日本代表としての活躍も期待される逸材であるのは間違いない。

 また、植田とはまったくタイプが異なるが、野洲のMF望月嶺臣(もちづき・れお/3年)も優れた才能を示した選手のひとりである。

 167cmと小柄ながら、高いテクニックを駆使してパスやドリブルを自在に操る望月もまた、植田とともにU-17W杯に出場した実績を持つ。世界と互角に渡り合った技術は、やはりこのレベルでは際立っていた。すでに名古屋グランパス入りが内定しているが、その肩書きにふさわしい力を見せたと言えるだろう。

 同じく、さすがはJ内定選手という活躍を見せたのが、アルビレックス新潟入りが決まっている帝京長岡のMF小塚和季(3年)である。

 小塚はキレのいいドリブルと意外性のあるパスを駆使し、選手権未勝利だった帝京長岡の攻撃をリード。同校としては初の、そして新潟県勢としては28年ぶりのベスト8進出に導いた。積極的に自ら攻撃を組み立てようとする強気な姿勢は、なるほどプロ向きと思わせるものだった。

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