【フットサル】カズ、初ゴール! 新たな「キング」伝説の幕開け (2ページ目)
カズのゴールは、いわゆる「ファー詰め」と呼ばれるもの。ゴールの小さいフットサルでは、シューターの打ったボールが直接ゴールに決まる確率がサッカーよりも低い。そのため、GKが弾いたボールや、枠から外れたボールに合わせるために、別の選手がファーサイドに詰めるのがセオリーなのだ。
「シュートを打ったのは(逸見勝利)ラファエルだったと思うんですけど、ラファはシュート力があるし、どんな局面からでも際どいシュートが多いんで、ああいうことが起こるかなと思って積極的に詰めていきました」
そう語るカズは、逸見が右サイドでワンツーをして前を向いたタイミングで、左サイドからゴール前に走り始めていた。1カ月前までは逸見のプレイスタイルはもちろん、名前すらも知らなかったが、カズは練習や試合を重ねる中で「逸見がボールを持てば何かが起こる」ことを察知して、ゴール前に詰めていたのだ。
ウクライナのゲンナジー・リセンチュク監督は、1-3で折り返したハーフタイムに「日本の11番のようにプレイしろ」という指示を出したと試合後に明かした。
「GKが弾いたあとにしっかりと詰める。ああいうプレイをしろと。11番(カズ)はすごいプレイヤーです。ウクライナでは11人制のことを大きいサッカーというのですが、彼を大きいサッカーからフットサルの世界に呼び込んだのは大正解だと思います」(リセンチュク監督)
もちろん、まだまだ課題はある。ブラジル戦に比べればスムーズさは増したものの、フットサル特有の常に動き回って、ポジションチェンジを繰り返すプレイには「正直言って......慣れないです」と漏らすカズ。
「その辺はもう、(感覚的ではなく)考えながらやっているんで、どうしても『今のプレイがうまくいかなかったのは自分がいけないのかな』とか、やりながら反省してしまう部分もあって......。まだエンジョイできるところまではいっていません。戸惑うことのほうが多いですね」
しかし、カズ自身は"悩めるようになったこと"をポジティブにとらえている。
「それは、逆にいいことというか、進歩しているからこそ、壁にぶち当たると思うんで。何も知らないでやっていたときは、怖いもの知らずでやれるところがあったけれども、知ることで足りないところが見えてくる。慣れてくるにつれて、課題も見つかってくるものですよ」
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