【日本代表】前田遼一に見る日本人らしい「FWのエゴ」とは何か?

  • Photo by Fujita Masato

W杯最終予選で存在感を見せた前田遼一W杯最終予選で存在感を見せた前田遼一
福田正博 フォーメーション進化論 vol.23

 FWというポジションは、ゴールという結果を残せなかったら話にならない。だからこそ、フリーキックを取り合ったり、PKを取り合ったりもする。どんな形で点を取ったかも大事だが、やはりどれだけ数字を残したかが重要になる。

 エゴイスティックな性格が必要とされるポジションと言われるが、エゴをむき出しにして、自分の利益であるゴール数を優先しすぎた結果、プレイの判断を誤って、チームの利益を減じることになってはいけない。それは自分の評価を下げることにもなるからだ。だから目先の利益だけにとらわれてしまうと、問題が生じることもある。

 たとえば、ユーロ2012のスペイン対アイルランド戦で、スペイン代表のイニエスタが、ゴール前でGKと1対1になっても、シュートではなくパスを横に流して、ヘスス・ナバスがゴールしたシーンがあった。このシーンを見て、イニエスタも、大きな意味でエゴイスティックな選手だと私は思った。

 つまり、チームが勝つために自分がどうすべきかを考えた結果のパスであり、チームの利益は自分の利益になるということだ。しかも、あのプレイでイニエスタは自分の評価を高めることもできている。自分が数字を残すことだけがエゴではない。スペイン代表やバルセロナではそういう選手が評価されているということの表れだと思うし、そういう選手がいなければ、トータルフットボールができなくなってきているということだろう。

1 / 3

プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る