2012.06.20

【Jリーグ】ゴトビ監督(清水)「我々のサッカーを静岡の鏡に」

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

1964年テヘラン生まれ、48歳。13歳でアメリカに亡命し、大学卒業後、サッカー指導者の道へ。韓国代表コーチ、イラン代表監督などを経て、2011年から清水エスパルス監督にアフシン・ゴトビ監督インタビュー(2)

----日本の選手、個人の質についてはどう思いますか? 

「サッカーが特別なスポーツである理由は、小さくても、大きくてもいい選手になれるということです。フィジカルの不足を賢さで補うこともできます。様々な方法論で結果を出していけます。例えば日本人が身体的かつ精神的に弱いとしましょう。でもそれは変えられます。違った経験、違った練習、違った食事を通して変われます。そして何よりサッカーは個人でやるものではありません。チームで弱点を補うことができます。ゲームに応じて力を発揮していくスポーツです。

  日本は伝統的にスターの名前に頼るサッカーをしてきました。個の能力をベースにサッカーが作られてきました。日本のサッカーは歴史的にブラジルの影響を強く受けていますが、とはいえブラジル人にはなれません。日本には日本のサッカーがあるべきなのです。そこに日本の真の可能性はあります。監督の国籍がどこであろうと、グループの中でチームとしての可能性を追求することです。日本人本来のアイデンティティ、強みを発揮できるようなチームを作るべきでしょう。実際、日本人には多くの強みがあります。私は日頃の練習を通して、彼らの質にとてもいい印象を持っています。他人のやり方を真似るのは簡単に見えます。みんなバルセロナのサッカーをコピーしたがります。でもあのサッカーはバルセロナにしかできません。私たちが知るべきなのは、我々は何者なのかということです。我々が資源として持つ強みを知り、これが我々のサッカーだというものを導き出していく。そこにサッカーの素晴らしさがあると思います」

----エスパルスのサッカーは、日本では珍しく両ウイングがワイドに開いています。マイボールに転じると、パッとスパークするような広がりがありますね。

「ピッチを広く使うので、我々のサッカーにはスペースがあります。広く使えば使うほど、スペースは生まれます。深さ、幅がしっかり保てれば、創造的なプレイをしやすくなる。相手ボールの時は、反対に相手のスペースをなくしていくのです」