【Jリーグ】一見の価値あり。広島・佐藤寿人の鮮やかにゴールを奪う技 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 川崎がクロスの対応に難があると見ていた佐藤自身も、「直樹とは、クロスのときにはふたりでゴール前に入ろうと話していた」と言い、石原が今季初ゴールを決めたことも、自分のことのように喜んだ。

 先ごろ、J1通算100ゴールを達成したばかりの佐藤だが、この日の2点で通算ゴール数は102まで伸びた。「これでヤナギさん(柳沢敦・仙台)に並んだと思うんですけど」という佐藤の言葉どおり、通算得点ランキングは柳沢と並ぶ8位タイに上昇した。

「今年は、そういうところ(通算得点ランキング)の面白みもある」

 そう話す佐藤の口ぶりからも、彼の好調ぶりが伝わってくる。

 そんな佐藤の2ゴールを含め、計4ゴールを決めた広島は、4対1で川崎に快勝。ほかにも、放ったシュートがゴールポストとクロスバーに計4度もはじかれるなど、決定機を量産し続け、川崎を圧倒した。今度はキャプテンとしての顔になり、佐藤はこう振り返る。

「(先制後、1ー1に追いつかれた)失点の後、バタついた部分があり、少し相手の時間になってしまった。でも、みんなでしっかりチャンスを作って相手を上回った。そこまでやれていることは評価できる。(点が取れるかどうかは)運不運もあるけど、こういう形を続けていくことが勝利につながるんだと思う」

 広島は現在、首位・仙台を勝ち点6差で追う2位。得点ランクトップの佐藤だけでなく、チームもまた、優勝争いの好位置につける。

「仙台に離されないようにやっていきたい」

 得点ランクで首位をひた走る佐藤は、充実の笑みを浮かべて、堂々と首位追撃を宣言した。

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