【Jリーグ】30歳を迎える大久保嘉人がキレまくっている理由

  • 高村美砂●文 text by Takamura Misa
  • photo by Sugimoto Akihiro/AFLO SPORT

例年スロースターターの大久保嘉人が開幕戦から鋭い動きを見せて2得点と結果を出した。例年スロースターターの大久保嘉人が開幕戦から鋭い動きを見せて2得点と結果を出した。 ヴィッセル神戸の大久保嘉人がキレまくっている。それを証明したのが、J1リーグ開幕のガンバ大阪戦でのパフォーマンス。FWとして出場したこの試合で決めた2ゴールもさることながら、前線で示した圧倒的な運動量、動きの鋭さは、近年の開幕戦に見た彼とは明らかに別人だった。

「開幕戦で2ゴールは上出来。FWとしてプレイしている以上、ゴールを取らなきゃいけないと自覚しているし、(点を)取ることが自分を勢いづけていくからこそ、素直にうれしかった」

 好調の要因は、今オフの身体の作り方にある。

 そのテーマは『妥協しない』。これまでシーズンが終了し、オフに突入すると心身をリラックスさせる目的もあって、旧知の仲間と飲みに出掛けることも多かったが、今オフは「意識的にその数を減らしたし、食事の席でお酒を口にしないことも多かった」と大久保。そうすることで必然的に『飲む=食べる』の機会が減り、いつもならオフに増加するはずの体重がまったく増えることなく、新シーズンを迎えられたという。

「オフ中は毎朝欠かさず、6時から1時間走って、温泉でさらに汗を出してから朝飯を食べて......という規則正しい生活をしていたからね。前夜にお酒を飲むと、絶対に妥協して次の朝は『まぁ、いいか』ってことになるのが目に見えていたから、なら、飲まんのが一番やな、と(笑)。妥協、イコール、自分に負けたってなるのが嫌やったしね。といっても、ストレスをためるのはよくないけん、休日の前の日は飲んだりもした。でも、飲んだ翌日は必ず母校の国見高校の練習に参加して、走って汗を出して、ということを欠かさずやった。その結果、いつもならチームの始動を迎えてから徐々に体重を落として、開幕くらいに理想体重になるって感じだったのが、今年は始動日を迎えたときにはすでにベスト体重だった。その分、キャンプ中も身体が動いたし、その状態で開幕に向けてさらにコンディションをあげていったから、開幕戦にいい状態で入れたのは当然よね」

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