2012.01.14

【福田正博】横浜マリノスの武器は伝統の強固な守備とセットプレイ

  • photo by Tokuhara Takamoto/AFLO

フォーメーション進化論 vol.7

2011シーズンは5位。今季は新体制となる横浜F・マリノス

 2011シーズン、Jリーグで驚きを与えてくれたクラブのひとつが横浜F・マリノスだった。2010年から指揮を執っていた木村和司監督が、当初からの方針転換をしたからだ。

 1年目は結果も重要だが内容を追求し、お客さんを魅了するサッカーを志向するという印象が強かったが、2年目となった昨年、木村監督は「ちゃぶる」(※広島弁で「相手を翻弄する」)という言葉も封印して、結果にこだわったスタイルになった。

 そこが驚きだったのだが、それもひとつの考え方であり、正しかったのではないかと私自身は思っている。木村監督がどのような考えだったのかはお会いして聞いてみないとわからないが、1年目の結果(8位)を受けて、結果が出ないと何を言ってもダメという面もプロスポーツにはあるということなのだと思う。

 2011年は開幕戦から非常に手堅い戦い方で、その後もアグレッシブな面やリスクをおかして攻めるシーンが2010年より減った。堅守をベースに後ろでゆっくりボールを回しながら相手の出方を見て、少ないチャンスをものにするスタイルだ。ただ同時に、実はそれがマリノスのカラーなのではないかとも思う。つまり、伝統的に守備が強固で、リスタートで点をとれるということがマリノスらしさだと以前から私は考えていた。

 過去に井原正巳、小村徳男、松田直樹といった日本代表のCBを輩出しており、現在も中澤佑二、栗原勇蔵と代表クラスのCBがスタメンにいる。また、和司さんのようなFKの名手がいることも伝統のひとつで、現在も中村俊輔という精度の高いボールを蹴るキッカーがいることで、リスタートからの得点がストロングポイントになっている。