サッカー日本代表の「即席4バック」はなぜ機能しなかったか 森保監督はサイドバックを甘く見ている (2ページ目)
【フィーリングに頼った出たとこ勝負】
しかし、アジアカップに向けて4バックをやりたくなったのはいいが、それに適した駒はいなかった。3バックを続けた間、日本代表にSBは存在しないポジションとなっていた。結果的にSBのスペシャリストを森保監督は切り捨ててきた。その歪みがこのニュージーランド戦では随所に現れていた。
右サイドでコンビを組むSB(中野)とウイング(堂安律)は、コンビネーションに優れた間柄でなければならない。そこに3人目として右の守備的MF(佐野海舟)が加わるとコンビネーションはより多彩になる。
アジア大会を戦ったU-21日本代表は、そうした4バック本来の魅力を備えていた。サイドに中盤があるかのような、論理的な崩しが実行できていた。狭い局面においてもパスコース(三角形)が見えていた。サッカーが面白く見えた理由である。
ニュージーランド戦のA代表は非論理的だった。その場のノリ、個人的なフィーリングに頼った出たとこ勝負。最も訓練されるべき部分が疎かにされている、そのアバウトさがはっきりと見て取れた。
3人目として佐野が加わることもなかった。佐野はボール奪取能力こそ高いものの、ショートパスに絡む能力は低い。堂安に寄ることになったのは、この日、上田綺世の1トップ脇で構えることになった久保建英だ。堂安と久保という左利きのふたりが、右サイドでちょこまかと動き回りながら、よく絡んでいた。
ニュージーランドの大型DFがそれに慣れるまでの間は、有効な攻撃の手段であった。しかし、何といっても非論理的だ。その感覚を共有できる人数は限られており、三角形は生まれにくい。1トップを張る上田まではパスが届かない。日本は半分混乱しながら攻めている感じだった。
久保が右サイドで堂安と絡めば、トップ脇を欠くことになる上田は自ずと孤立する。それではマズいと、鎌田大地が左寄りからトップ下にポジションを移動すれば、今度は左サイドと距離が空く。左の鈴木と前田大然(左ウイング)に中盤との連係が途切れるようになる。
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