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サッカー日本代表、ウルグアイ戦の勝因は「異端」にあり その武器が内包するネガティブ要素とは? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

【後ろに人が多いサッカー】

 節目となるこの一戦で注目されたのは布陣だった。ワールドカップ本大会のベスト16進出国で、日本と同じスタイル(基本3バック)で戦ったチームはパラグアイしかなかった。そのパラグアイにしても、4バックで戦う試合もあった。自らのサッカーが少数派であることをワールドカップ本大会で痛感すれば、布陣変更もあるのではないかと、筆者はかすかな期待を寄せたのだが、ダメだった。森保監督は頑(かたく)なだった。

 ひと言でいえば、後ろに人が多いサッカーだ。その数的なしわ寄せはサイドに及ぶ。サイドアタッカーは、4バックの場合は両サイドに各ふたりであるのに対し、森保式は各ひとりだ。ピッチ上に描くことができる線の数、パスコースを表わす三角形の総数で一般的な4バックに劣ることは、4-4-2で戦ったこの日のウルグアイとの比較でも鮮明になった。

 サイドは真ん中に比べ、ボールを奪われにくい場所だ。パスサッカーを安定的に行なううえでのキーとなる場所なのだ。

 真ん中付近でのパス交換が増えれば、奪われる位置も中央に偏る。攻守が一瞬で裏返しになりやすい、危険ゾーンで奪われる可能性が高まるのだ。日本が細かな動きを自慢にすればするほど、そこでミスは起きやすくなる。結果、バタついてペースを失う。失点の要因にもなる。

 現在、アジア大会を4-3-3で戦っているU-21日本代表のサッカーにはそれが少ない。中盤がサイドにあるようなサッカーをする。目下の相手はアジアの格下なのだからウルグアイ戦と話を一緒にするなと叱られそうだが、理屈のうえではそうなる。

 両者は同じ日本サッカー協会内に存在する事実上の兄弟チームながら、まったく別のサッカーを追求する。日本人選手の特徴に適しているのはどちらか。この大事な話がなぜ議論されないのか。この国のサッカーの方向性について、操縦桿を握る人は誰なのか。世界的に見ても、日本は今、極めて特殊な状況に置かれている。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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