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【サッカー日本代表】上田綺世がゴールを量産できた明確な理由 献身的な守備は未来のFWのモデルケースとなるか (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【全員守備を担うFW】

 日本代表はアジアでは圧倒的な強豪だが、ワールドカップにおいては日本より強いところも弱いチームもある。いわば中堅グループ。ポット2なので中堅でも上位のほうではあるが、スペインやフランスと対戦したら劣勢に追い込まれるのはまず確実だ。

 そこで日本代表のFWには守備力が求められている。

 上田に限ったことではなく、日本代表のFWはいずれも献身的に守備をしている。これに関しては世界でもトップレベルだと思う。

 強豪国を見れば、これまでチームにひとりやふたりは、あまり守備をしなくても許容される選手がいることが多かった。前回W杯で優勝したアルゼンチン代表のリオネル・メッシはほとんど守備をしていなかった。フランス代表のキリアン・エムバペもほぼ同じ。ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドもそうだ。

 彼らは攻撃面で大きな貢献をしてくれるので、引き換えに守備は免除されている。まったく守備をしないわけではないが、最初に守備をやめる選手ではあった。

 ただ、スーパースターを除くフィールドプレーヤー9人で守備をするより、10人のほうが守備は強くなる。これは自明なのだが、国民的スターがいるチームほど10人の守備を行なうのは困難なのだ。

 日本は誰がFWでも守備免除ということにはならず、守備のメカニズムのなかに組み込まれている。守備を免除させるほどのスターがいないとも言えるが、それよりも全員で守ったほうが当然守備は強化されるということが重要である。

 将来的に国民的なスターが現れたとしても、その選手を例外として扱うことはないような気もする。もしかすると、日本が示す全員守備のモデルを、これから各国が追随していくかもしれないからだ。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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