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サッカー日本代表のワールドカップ本番でのポイントを福田正博が考察 中堅国に勝ちきれるか (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【規模拡大のW杯本大会】

 そのW杯の組み合わせ抽選は、12月5日にワシントンで行なわれる。史上最多の48カ国が出場する今大会は、4チームからなる12グループのグループステージを戦い、各組上位2チームと各組3位のうち成績上位8チームを合わせた32チームがノックアウトステージに進める。

 グループステージの組み合わせ方式はグループ数こそ増えたが、これまでと大きく変わらない。開催国3カ国+出場国のFIFAランキング順で上位9チームまでがポット1、ポット2、3は抽選時点のFIFAランキング順で12チームずつ、そしてポット4には残りのチームと欧州や大陸間のプレーオフで勝ち上がったチームが入る。

 日本はFIFAランキング順でポット2入りがほぼ確定している。開催国3カ国のどれかと同組になるか、ポット1のスペインやフランス、アルゼンチンなどの上位9チームが待つグループに入るのか。日本は過去のW杯で開催国と同組になったことはない。仮にメキシコと同組になれば、ワールドカップ開幕戦を戦う可能性もある。これまで味わったことのないプレッシャーを受けながら、日本がどういう試合をするかも見たい気はする。

 グループステージの対戦国とともに、どの地域で試合をするのかも今大会は重要な要素になるだろう。W杯の共同開催は2002年日韓大会以来だが、日韓大会ではグループステージが国ごとに行なわれたのに対し、来年のアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共同開催では、国ごとではなく「西部」「中部」「東部」の3地域内で行なう。

 西部地域はアメリカのロサンゼルス、サンフランシスコ・ベイエリア、シアトルと、カナダのバンクーバー。中部地域はアメリカのダラス、ヒューストン、カンザスシティーと、メキシコのメキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラ。東部地域はアメリカのアトランタ、ボストン、マイアミ、ニューヨーク、フィラデルフィアと、カナダのトロント。北米大陸内での縦移動となるため時差の心配はないが、振り分けられた地域によっては移動距離などが増える。

 どのグループに入っても、日本にとって楽な対戦国はひとつもない。それだけに、まずは11月のテストマッチ2試合でボールを保持するところのクオリティーを高めてほしい。そして12月5日からは、グループステージで対戦する3カ国とその先の戦いを想定しながら、W杯ベスト8以上の景色が見られるように準備を進めてもらいたい。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

【画像】本番のメンバーは? サッカー日本代表2026年ワールドカップ予想フォーメーション

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