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サッカー日本代表のワールドカップ本番でのポイントを福田正博が考察 中堅国に勝ちきれるか (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【"関脇・小結"クラスを倒せるか】

 たとえば、パラグアイはW杯予選やコパ・アメリカでブラジルやアルゼンチンと対戦している。彼らにとっては、世界屈指の攻撃力を持つ相手を防ぐために守備をし、そのスキを突いて得点を狙う戦いが日常にあると言えるだろう。そうした背景があるだけに、日本がボールを保持して押し込もうとしても、慌てずに対処してワンチャンスをモノにしてくる。

 そして、これはパラグアイに限らずヨーロッパ勢などにも言えるが、彼らに共通するところはもうひとつ。W杯という舞台でも、基本的に戦い方を変えることがないという点だ。

 一方、アジアでの戦いが日常となる日本にとっては、普段"横綱・大関"クラスとの対戦はなく、さらに"関脇・小結"クラスとの対戦も少ない。アジアではボールを保持する戦いで勝利できることが多いが、それをW杯本番レベルまで磨くには現状では親善試合を通じてしかできないジレンマに陥っている。

 こればかりは数多く試合を重ねて経験するしかないが、W杯本番までに残された時間は限られている。年内のテストマッチは11月のガーナ戦とボリビア戦で終わり、年が明ければ3月や直前のテストマッチなどの数試合しかない。

 FIFAランキングはガーナが73位、ボリビアが76位と、日本よりも下位だが、南米予選7位のボリビアは来年3月の大陸間プレーオフを控え、ガーナは昨年のアフリカネーションズカップの予選敗退から見事に立て直してW杯出場権を手にしている。日本代表の強化に取り組む相手として不足はないだろう。しっかりと成果を出してもらいたいところだ。

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