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サッカー日本代表の最初の海外移籍は約50年前 当時世界最高峰のブンデスリーガで9シーズンも活躍 (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【Jクラブは移籍金で規模拡大を図るのもひとつ】

 高井のトッテナム移籍が成功すれば、Jリーグから直接ビッグクラブに移籍する例は増えるだろう。すでに三笘などが成功している川崎の場合、もし高井も成功すれば、クラブのブランド価値はさらに上がり、将来、大関友翔などをビッグクラブに移籍させる場合に再び巨額の移籍金を手にできるかもしれない。

 移籍金は選手を育成したクラブにとって当然の報酬だ。

 川崎はACLE準優勝で、日本円で9億5000万円ほどの賞金を受け取ることになった。また、FIFAクラブW杯に出場した浦和レッズは、3戦全敗だったにも関わらず、約14億円の賞金を獲得したと報じられている。こうした賞金はいわば"あぶく銭"だが、優秀な選手を育てたクラブが得る移籍金はクラブにとっての当然の報酬と言うことができる。

 最近のJリーグの競技力は欧州の中堅レベルのリーグと肩を並べているが、クラブW杯でも示されたように5大リーグには到底及ばない。この差を埋めるためにはリーグやクラブの財政規模を大きくするしかない。巨額の移籍金を得ることも、そのための有力な方法だろう。

 かつて、欧州クラブへの移籍は、たとえば中田英寿のようなJリーグや日本代表で傑出した活躍をした選手だけに与えられる特権のようなものだった。しかし、今では20歳前後の、あるいは高校を出たばかりの選手が次々と欧州に渡るようになった。

 これからは、ビッグクラブへの直接移籍を増やしていくべき段階に達している。

 日本人選手の海外移籍の様相も、ずいぶんと変わってきたものだ......。

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