サッカー日本代表、ワールドカップ本大会の見通しを検証 ベスト8に進出できるか? (4ページ目)
【5人交代制は追い風】
5人交代制もおそらく日本にとって追い風だろう。前回優勝を争ったアルゼンチンのリオネル・メッシやフランスのキリアン・エムバペのようなスーパーなタレントは日本にはいないが、選手の平均レベルが高い。
強豪国でもメンバーを固定化しているチームが多く、ターンオーバーしても力が落ちないのはフランスくらいだろう。日本も板倉滉、遠藤、守田英正、三笘、伊東純也といった軸になる選手はいるものの、代えのきかない選手はいないといっていい。誰がプレーしても一定の水準は維持できると思う。
連戦となるW杯では、ある程度の入れ替えはコンディション維持のために必須。また5人の交代枠を活用できるかどうかもポイントになる。スーパースターはいないかわりに、そのスーパータレントが欠場したり、調子を落とした時のリスクが日本にはない。三笘の代わりに中村が出ても十分やれるだろうし、久保建英がいなくても南野拓実、鎌田がいる。高いレベルで均質的という特徴は、5人交代をフル活用できて、大会中のローテーションも可能になる。
5人交代制は攻撃的にも守備的にもプレーできる日本の対応力を発揮しやすく、現在のチームにとって追い風と言える。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
【画像】あと1年! サッカー日本代表2026年ワールドカップのメンバーを予想【フォーメーション】
4 / 4