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サッカー日本代表、ワールドカップ本大会の見通しを検証 ベスト8に進出できるか? (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【強豪国との格差は縮小している】

 現在の日本がとうていかなわない強豪国もない。アルゼンチン、ブラジル、スペイン、ドイツ、フランス、イングランド、イタリア、ウルグアイの優勝経験国をはじめ、本大会で実力的に明確に日本より下の国を探すほうが難しいのだが、全体的に上下の格差は少なくなっていて、飛びぬけたスーパーチームは存在していない。

 カタールW杯ではモロッコがベスト4に進出していて、日本とラウンド16で引き分けたクロアチアもベスト4だった。日本が強豪を食う可能性は、これまでで最も高くなっている。

 昨年行なわれた欧州選手権(ユーロ)のベスト8にはトルコとスイスが含まれていた。トルコは同じ中堅国であるオーストリアに勝っての準々決勝進出だが、スイスはイタリアを破っている。ラウンド16ではスロベニアがポルトガルとPK戦までもつれ、スロバキアもイングランドに敗れたのは延長戦だった。ベスト4はスペイン、フランス、オランダ、イングランドの強豪国が残っているが、中堅国との差は勝敗に関して紙一重だった。

 ユーロと同時期に開催されていたコパ・アメリカもベスト4にカナダが入っていた。準々決勝4試合のうち3試合はPK戦による決着。アルゼンチンはエクアドルとのPK戦を制して勝ち抜けている。アルゼンチンは最終的にコロンビアを破って連覇を達成したが、コパ・アリメカも番狂わせは十分に起こりえる状況だったわけだ。

 ジャイアントキリングの可能性は日本だけではないが、カタールW杯でドイツ、スペインを破った実績もあり、クロアチアともPK戦だった。日本は前回より力をつけていて、欧州、南米の強豪国は頭打ちの状態。チャンスは増えていると考えていい。

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