サッカー日本代表・森保監督は27人中何人起用できるか W杯で勝つために必要な先を見越した計画性 (2ページ目)
【バーレーン戦でテストするなら...】
スタメンの11人とサブとの間に力量的に大きな差があると考えているのだ。だがそれは、負けていい試合はひとつもないと、ベストメンバー至上主義に走った結果であることを忘れてはならない。計画性に欠ける強化法が招いた、まさしく自ら蒔いた種なのだ。日本人選手の力が足りないかのような言い回しをするべきでない。
バーレーン戦、サウジアラビア戦の選手起用法が問われる森保一日本代表監督 photo by Sano Miki 森保監督は就任8年目を迎えようとしているのに、サッカーの代表監督に求められるスタンダードな気質を身につけることができずにいる。日本国内にずっと留まり、日本旧来のサッカー文化の中で生きてきたことと、それは大きな関係がある。欧州に長く暮らし、世界観をすっかり身につけた選手との感覚の差は広がるばかりだ。
W杯本大会を1年3カ月後に控えたいま、なすべきことは、大局を見据え、使える選手の絶対数を増やすことだ。スタメンの11人が定かではなくなるぐらいの域に持っていく必要がある。今回なら、選んだ27人の全員を起用することである。
勝利至上主義に基づく従来の起用法に従えば、以下の11人がバーレーン戦の予想スタメンとなる。バーレーンとサウジアラビアを比較すれば後者のほうが格上だ。しかし予選突破まであと1勝なので、重きはバーレーン戦に置きたいと考えるのが自然である。今回もこのメンバーで臨むものと思われる。
GK/鈴木彩艶、CB/伊藤洋輝(左)、板倉滉(中)、瀬古歩夢(右)、ウイングバック/三笘薫(左)、伊藤純也(右)、守備的MF/守田英正(左)、遠藤航(右)、2シャドー/南野拓実(左)、久保建英(右)、CF/上田綺世。
これに対して、テストと勝利をクルマの両輪のように求めるなら、テスト色はバランス的に後方ではなく、前方で強めたい。たとえば――。
まず、左右のウイングバックには三笘、久保ではなく、中村敬斗と菅原由勢を置く。守備的MFもひとりは変えたい。守田を残すなら、もうひとりは田中碧だ。2シャドーは南野、久保ではなく、鎌田大地、堂安律を。1トップにはいま最も勢いがある前田大然を張らせてプレッシングの始点としたい。従来はウイングだったが、先のチャンピオンズリーグ・バイエルン戦などで見せた、最前線からピッチ狭しと猛スピードで追いかける走力に期待したい。
スコアにもよるが、5人の交代は早めに行なう。該当するのは1トップ、2シャドー、両ウイングバックの5人。町野、南野、久保、中山、関根大輝になる。
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