サッカー日本代表の固定メンバーに嫌な既視感 史上最強の「黄金世代」はW杯本大会で散った (3ページ目)
のちに、当時の日本代表内には、主力組と控え組の分断があったことが語られるようになるが、その"敗因"もまた、メンバーの固定化に端を発するものだと言っていい。硬直化、あるいはマンネリ化が生んだ結末だった。
もちろん、時代は変わっている。
海外組がまだまだ特別で少数派だったおよそ20年前から、現在では日本代表のなかにJリーガーを見つけるほうが難しくなった。選手のレベルにしても、19年前と比べれば、各段に上がっているに違いない。
同じ轍を踏むことはない、のかもしれない。
しかし、2022年のカタールでの成功体験を引きずるかのように、お決まりの顔ぶれがいつものようにピッチに立ち、楽々とアジア最終予選を突破していく。そんな様子を見ていると、どうにも既視感を覚え、嫌な予感がしてしまうのである。
(つづく)
著者プロフィール
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
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