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サッカー日本代表ワールドカップ本番で選手、戦術に変化はある? 識者が予想した1年半後の顔ぶれ (2ページ目)

【戦力は史上最強 指揮官は手腕が問われる】

小宮良之(スポーツライター)

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FW/三笘薫、上田綺世(山田新)、久保建英
MF/鎌田大地、守田英正
MF/遠藤航
DF/冨安健洋(伊藤洋輝)、町田浩樹(吉田麻也)、板倉滉、菅原由勢
GK/鈴木彩艶

 2026年ワールドカップ、アジア最終予選のチームをベースにした場合、3-4-2-1になる。ただ、世界列強との試合では守備が耐えきれまい。4-3-3に近い4-2-3-1に戻すのではないか。

 左サイドバック不在が深刻で、その解消策の3バックもあるだろうが、三笘薫をウイングバックで使うのは「宝の持ち腐れ」とは言わないまでも、適材適所ではない。アジア勢だったら攻めに専念できるが、世界を相手には守りで弱さを見せるはずで、その場合、せっかくの攻撃力も封じられてしまう。

 三笘、久保建英のふたりは、日本代表のなかでも傑出している。彼らをゴール近くでプレーさせる戦いが望ましい。それは世界と戦う基本条件だ。

 次に鎌田大地、守田英正のふたりは、戦術的な土台だろう。プレーメイクしながら、ライン間を奪うコンビネーションが有効だ。鎌田は1・5列目だとやや消えてしまうところがあり、プレーメイクに関わってもらい、守田が前線に飛び出す動きが打撃を与えられるだろう。

 三笘、久保、鎌田、守田の4人がうまく連係を取れたら、大きな攻撃力を生み出せる。それを支えるのが攻守をつなぐ遠藤航。この5人はどんな布陣でも外せない。

 そして森保ジャパンの強さは、タイプの違うバックアッパーもいることだろう。中村敬斗、堂安律、伊東純也、南野拓実、旗手怜央、田中碧、佐野海舟は実力者。攻め方に変化を与えられる。

 一方で、トップは上田綺世がファーストチョイスだろう。ただ、このポジションは今後1年半で見極めるべきだろう。ストライカーはフィーリングが大事で、旬の選手を重用するのが上策で、他のポジションと違う。(欧州経験がなく)未知数だが、山田新の伸び代に期待したい。

 バックラインでは板倉滉が不動だろう。ただ、パートナーは意見が分かれるのではないか。センターバックは町田浩樹、谷口彰悟、瀬古歩夢、高井幸大などだが、それぞれ一長一短がある。左利きの町田がリードも、パーソナリティでやや物足りなさも残る。

 そこで経験やリーダーシップを考えたら、吉田麻也という選択肢もありうる。吉田は MLSで主将として(カップ戦やプレーオフ含め)3600分以上も出場し、優勝に貢献。強固なディフェンスは健在で、主将として各国代表選手をまとめる統率力も示した。W杯ではターンオーバーが不可欠で、彼こそが適任。

 2026年は38歳になるが、EURO2024でスペインを優勝に導いたヘスス・ナバスも38歳で、ダニエル・カルバハルの出場停止などの穴を埋めた。吉田のような選手とプレーすることで、高井も化けるかもしれない。

 右サイドバックは久保とのコンビを重視すると、菅原由勢か。世界を相手の守備では不安は拭えず、2018年カタールW杯のベストプレーヤーだった酒井宏樹のような選手が欲しいが......。左は伊藤洋輝のコンディション次第だが、三笘との連係を考えると、冨安健洋の左サイドバックでの抜擢を推したい。彼もケガが多いのだが......。

 GKは MLSで活躍する高丘陽平を試してほしいが、森保一監督は鈴木彩艶とアジアカップで心中したほど、鈴木以外は考えていないだろう。鈴木は今もスーパーセーブと凡ミスが交互に見られるが、かつてない大器であることに異論はなく、W杯での開花に期待したい。

 フィールドプレーヤーがほぼ全員、欧州組になった時代、戦力は史上最強と言える。このチームをどうマネジメントするか。指揮官にはその手腕が問われる。

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