サッカー日本代表、インドネシア戦で攻守によくないデータ 三笘薫がほとんど仕掛けられない! (4ページ目)
【攻撃が中央偏重になった可能性】
実際、この試合で三笘がアタッキングサードの左大外レーンでパスを受けたのは、守田から2本、遠藤航から1本しかなく、板倉からは1本もなかった。町田からは3本あったが、そのいずれも、町田が中央寄りのエリアでボールを保持して出したショートパスで、三笘がドリブルで仕掛けにくい状況と言えた。
これもまた、チーム戦術に余白が多いからこその現象とも言えるが、少なくとも、三笘という大きな武器をどのように使うのが最も効果的なのかは、チームとしてあらためて整理しておきたいところだ。
終わってみれば、この試合の勝負の分かれ目は、前半20分以降に目立つようになった守田と鎌田の機転を利かせたローテーションによる中央攻撃だった。しかしそれによって、より攻撃が中央偏重になったことも否めない。
ただ、相手のレベルが上がると中央攻撃が通用し難くなることは、先のオーストラリア戦でも証明されたばかり。しかも、それが致命的なカウンターを受ける引き金になりやすい点を考えると、サイド攻撃とのバランスも見直す必要がある。
0-4という一方的なスコアで勝利したインドネシア戦を、試合内容に焦点を当てて振り返ってみると、攻守両面にわたって現行の戦術に改善点が散見された試合だった。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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