サッカー日本代表の意外な落とし穴 遠藤航のバックアップをどうするのか? (2ページ目)
【後継者候補ナンバーワンは藤田譲瑠チマで決まり】
後藤健生(サッカージャーナリスト)
<遠藤航のバックアップ>
守田英正(スポルティング)
藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)
谷口彰悟(シント・トロイデン)
遠藤航が欠場となったオーストラリア戦で、森保一監督は代役として守田英正を起用。キャプテンも守田に任せる選択をした。
実際、現時点ですぐに「遠藤の代わり」を任せられる選手は、これまで遠藤と組んできた守田以外にはいない。ただ、もちろん遠藤と守田ではプレースタイルが違うので守田は単なる代役ではない。
遠藤と守田のコンビの時は、遠藤が守備的で守田は自由に動いて攻撃に参加していたが、遠藤不在の場合には守田はより守備的な仕事をせざるをえない。
オーストラリア戦で守田は田中碧と組んだが、川崎フロンターレ時代の経験もあって大きな違和感はなかった。ただ、田中にはもう少し攻撃にからんでほしかった。今後は守田と誰を組ませるかということも考えておく必要がある。たとえば、守田と旗手怜央という組み合わせもあるだろう。
長期的には、遠藤の後継者候補ナンバーワンは藤田譲瑠チマで決まりだ。
フィジカルの強さを生かしたボール奪取能力。バランスを崩しても相手に絡み続けられるアジリティー。そして、奪ったボールを前線に供給するパスセンス。さらに、自らドリブルで持ち上がる動き......。ボランチとしての総合的な能力の高さは、パリ五輪でも実証済みである。できれば、次期W杯までに遠藤に並ぶほどの選手に成長してもらいたいものだ。
そのためには、早くベルギーを"脱出"して5大リーグでプレーする機会をつかみたい。そして、それを待たずに、代表でも藤田を育てるために積極的に出場時間を与えておきたい(アジアカップで鈴木彩艶の成長のために起用し続けたように)。来年3月に日本代表が最終予選突破を決められれば、藤田が起用される機会も増えるだろう。
谷口彰悟は、このところスリーバックのセンターとして非常に安定して守備を統率している(オーストラリア戦ではやらかしてしまったが!)。30歳を過ぎても、経験値の高さも加わって、着実にうまくなっているようだ。
だが、これから負傷欠場中の冨安健洋や伊藤洋輝が復帰し、さらに高井幸大が大きく成長すれば、日本代表のセンターバック(CB)は人余りの状態になってしまう。そうなったら、谷口のボランチ起用も可能になる。
元がCBなのだから守備力には問題ない。そして、谷口には精密なパスで試合を組み立てるだけの戦術理解能力とパスの正確性がある。かつて、川崎でもボランチに入ってすばらしいパフォーマンスを見せていた時期もある。
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