サッカー日本代表ワールドカップ予選のベスト布陣を識者が提案 成長につながる戦術は? (3ページ目)
【攻撃的な3バックシステムで圧倒したいところ】
中山 淳(サッカージャーナリスト)
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MF/三笘薫、南野拓実、鎌田大地、伊東純也
MF/遠藤航
DF/伊藤洋輝、板倉滉、冨安健洋
GK/鈴木彩艶
出場枠がほぼ倍増した新フォーマットのW杯アジア最終予選で、随一の戦力を誇る日本が敗退する可能性は極めて低い。今回の予選からは、勝敗だけにこだわって予選突破することだけを目標にせず、あくまでも本大会で目標を達成するために、どのアジアの相手に対しても圧倒的に勝つ、という命題を掲げて攻撃的なサッカーを貫きたい。
もちろん、首脳陣は負ければ責任を問われるので、リスクをかけたくない気持ちはわかる。しかし、それでは主導権を握れずにラウンド16で敗退したカタールW杯と同じことを繰り返すだけ。日本サッカーの成長と発展につながらず、逆行することになってしまう。
それらを踏まえて選択したいのが、攻撃的な3バックシステムだ。たとえば、両翼に伊東純也と三笘薫の強力ウインガーふたりを配置し、前線を2トップにする3-1-4-2。2列目は、ゲームメイクも飛び出しも得意な鎌田大地と南野拓実が敵陣でのポゼッションと崩しを円滑にしてくれるはずだ。
後方のリスク管理は、プレーエリアが広くルーズボールの回収役に適任のキャプテン遠藤航。3バックは相手のロングボールに高さと強さで跳ね返せる3人(冨安健洋と伊藤洋輝は負傷により9月は招集外)がいれば、アジアの戦いでは十分だろう。
とにかく、守るより攻める。いかに敵陣でボールを握って主体的に攻め続けられるか。その切磋琢磨を続けるなかで勝ち点を落としたとしても、日本が予選敗退を強いられるほどのリスクはないだろう。それこそが、本大会での目標達成の近道になると思われる。
プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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