サッカー日本代表ワールドカップ予選のベスト布陣を識者が提案 成長につながる戦術は? (2ページ目)

【本大会を見据えて6つの課題をクリアできるか】

西部謙司(サッカーライター)

この記事に関連する写真を見るFW/上田綺世
MF/三笘薫、久保建英、伊東純也 
MF/守田英正、遠藤航(藤田譲瑠チマ) 
DF/中山雄太、冨安健洋(伊藤洋輝)、板倉滉、菅原由勢 
GK/小久保玲央ブライアン

 W杯本大会を見据えた時の、日本代表の現時点での課題は主に6つある。

(1)ウイングを活かすためのビルドアップ
(2)左サイドバック(SB)
(3)冨安健洋のバックアップ
(4)GK
(5)トップ下の人選
(6)センターフォワード(CF)

 攻撃での最大の武器は伊東純也、三笘薫の両サイドなので、そこへボールを供給する仕組みが必要だ。横浜F・マリノスのような「偽SB」がウイングへのパス経路を作りやすい。しかし、日本代表では試してみたがうまくいかなかった。

 今回、望月ヘンリー海輝を招集しているので、少なくとも右側で「偽」を使うつもりはないのだと思う。伊東に相手を背負った状態で受けさせる強引なビルドアップで押し通すつもりなのだろうか。

 左は中山雄太が復帰。「偽」のできる人材だが、バックアップが長友佑都。つまり「偽」のプランはなさそうな気がする。では、それに代わるものがあるのかどうか。そもそも中山、伊藤洋輝にしても、本職の左SBではない。「偽」ならありだが、そうでないなら人材不足のポジションである。

 今回招集されていない冨安健洋は負傷が多く、アーセナルでもレギュラーポジションを失っている。能力は文句なしだが、冨安を使えないケースは考えざるを得ない。

 GKも懸案事項だ。素質は鈴木彩艶、勝負勘で小久保玲央ブライアン。しかし決定版がいない状態。W杯本大会を勝ち進むにはGKの能力は絶対なので、成長に期待するしかない。

 トップ下は人材豊富といえるだろう。南野拓実、鎌田大地、久保建英がいて、レベルの高いポジション争いだ。課題というより、選ぶのが難しいというべきか。

 逆に激戦区ではあるが、誰を選んでも物足りないのがCF。スペインのアルバロ・モラタ、イングランドのハリー・ケイン、アルゼンチンのフリアン・アルバレス......。優勝するつもりなら、せめてこれくらいのCFがいないと難しくないだろうか?

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る