パリ五輪がかかるイラク戦でもカギに 群を抜く荒木遼太郎が「世界」向きの理由 (3ページ目)
もうひとつ、荒木は性格も「世界」向きだ。
「モチベーションはどの試合も一緒」
「いつでも、選ばれたら行く準備はできている。自分のパフォーマンスを上げるだけ」
「ボールを動かし、隙を作りながら、前進させる。もっともっとゴールに絡みたい」
こうした荒木の言葉は、どこか飄々としているが、それは才気に恵まれた選手だけが持つ気概や果断さの裏返しだろう。ゴールへの道筋は見えている。もし、それをチームメイトと共有することができたら――。
4月29日、U-23日本代表の準決勝はイラクとの対戦になった。イラクには、フル代表がアジアカップで金星を献上している。身体能力が高い選手が多く、高さやパワーを生かした攻守が伝統的で、タイプとしては苦手か。
ただし、荒木のような選手が輝くことができれば、物の数ではないだろう。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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