サッカー日本代表は6月のW杯予選消化試合をどう有効活用すべきか 識者4人のアイデアとは (3ページ目)
「戦術的な修正も図りたいところではあるが...」
浅田真樹●文 text by Asada Masaki
現時点で日本代表の最後の試合となっている、3月にホームで行なわれた北朝鮮戦。アジアカップでは登録メンバー外だった橋岡大樹(ルートン・タウン)、小川航基(NECネイメヘン)が、途中出場ながらピッチに立ち、それなりに新戦力の登用が図られた印象はある(本当の意味での"新"戦力ではないが)。
しかし、その一方で、主力であるヨーロッパ組の招集は相変わらず続き、彼らに負担がかかっている印象もまた否めない。
すでに三笘薫(ブライトン)が今季絶望となったことはもちろん、アジアカップ後に戦線離脱していた冨安健洋(アーセナル)がようやく復帰したのと入れ替わるように、今度は久保建英(レアル・ソシエダ)が筋肉系と見られるケガを負ってしまったことが、そんなネガティブな印象を一層強めている。
日本代表の活動のたびに彼らを毎回呼び続けるのではなく、はっきりと所属クラブの活動に集中させる機会があってもいいのではないか。決して結果論ではなく、そんな思いは強くなる。
図らずもアウェーの北朝鮮戦が日本の不戦勝となり、すでに2次予選通過が決まった今、次回6月の活動では、主力のヨーロッパ組をはっきりと休ませ、オフに当ててもらうべきだろう。
とりわけ6月の2次予選の残り2試合は、ミャンマーとのアウェーゲームとシリアとのホームゲーム。つまり、日本との時差を考えなくていいところで2試合が行なわれる。
Jリーグ組にチャンスを与える好機でもあり、ヨーロッパ組の多くを呼ぶことができなかった今年元日のタイ戦のように、集中的に戦力の底上げを図る機会として生かすべきだ。
また、本音を言えば、新たな戦力の掘り起こしとは別に、戦術的な修正も図りたいところではある。というのも、先のアジアカップでは、イラクとイランに、ともに似たような戦い方で挑まれ、いずれも敗れているからだ。
つまり、ハイプレスからのカウンターを得意とする日本に対し、ロングボールを多用することでプレスを回避し、セカンドボールの回収で上回ることによって、逆に日本に対して圧力をかけてきたのである。
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