「三笘薫がMVP」と英国人記者 対戦相手やサポーター、外国人記者が見たバーレーン戦 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【「三笘を見るだけのために来た」】

 欧州でのプレー経験もあるFWのアブドゥラ・ユスフは、「この試合を楽しみにしていた。日本は自分たちがプレーするだけでなく、相手にプレーをさせてくれるチームだからだ。この大会に出ているいくつかのチームは、ファウルが多かったり、汚い手を使ったりする。でも日本のサッカーはクリーンだ。だからこそバーレーンはベストのプレーを見せなければいけなかった。だが、残念ながらそうはならなかった。試合は日本にほぼ支配されていた。日本はベストではなかったかもしれないけれど、拍手に値するプレーを見せた。偉大なチームであることを証明してみせた」と語った。

 またMFハッザ・アリは「この試合はアジアカップのなかで一番難しいものだった。日本の強さは知っていたけれど、もしかしたらまた、イラク戦のようなことが起きないかと期待していた。我々はあの試合の映像を、2回、3回と見直し、日本の弱点を探した。しかしヨーロッパの強豪で経験を積んでいる日本の選手はやっぱり上だった。日本はやはり強かった。バーレーンはこの大会のチャンピオンに負けたのかもしれない」と言う。

 そして、ファン・アントニオ・ピッツィ監督は次のように振り返った。

「非常に難しい試合だった。我々が対峙した相手は、戦術的にも、フィジカルでも、バーレーンより優秀なチームだった。この日本は強い。スピードがあり、テクニカルでクレバーだ。選手ひとりひとりの能力もとても高い。交代選手もスタメンの選手たちとおなじクオリティーを持っている。また、日本は同じ監督のもとで5年、プレーしている。これは大きな強みだろう。今回、日本と対戦したことはいい経験となり、バーレーンにとっては将来のための勉強となった」

 アジアカップの記者席にヨーロッパ人は少ないが、この試合にはふたりのイギリス人記者(ジョナサン・レジャーとマイケル・シュリー。ともにフリーランス)が来ていた。彼らに話を聞くと、ふたりは三笘薫を見るためだけにカタールに来たのだと言う。

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