日本代表メンバー発表で見えた課題 構造的に不足しているふたつのポジションとは
2024年元日、国立競技場で開催されるタイ代表戦の日本代表メンバー23人が以下の通り発表された。
GK
前川黛也(ヴィッセル神戸)、鈴木彩艶(シント・トロイデン)、野澤大志ブランドン(FC東京)
DF
谷口彰悟(アル・ラーヤン)、板倉滉(ボルシアMG)、森下龍矢(名古屋グランパス)、町田浩樹(ユニオン・サン・ジロワーズ)、毎熊晟矢(セレッソ大阪)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、菅原由勢(AZ)、藤井陽也(名古屋グランパス)
MF/FW
伊東純也(スタッド・ランス)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(モナコ)、伊藤涼太郎(シント・トロイデン)、堂安律(フライブルク)、上田綺世(フェイエノールト)、田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、奥抜侃志(ニュルンベルク)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)、中村敬斗(スタッド・ランス)、佐野海舟(鹿島アントラーズ)、細谷真大(柏レイソル)
11月のミャンマー戦、シリア戦に招集された選手で今回の23人から外れたのは大迫敬介、中山雄太、冨安健洋、渡辺剛、遠藤航、古橋亨梧、守田英正、川辺駿、伊藤敦樹、鎌田大地、相馬勇紀、三笘薫、前田大然、久保建英。
1月12日からカタールで開催されるアジアカップのメンバー発表はタイ戦の後とされるが、ほぼ、今回選んだメンバーで行くのではないだろうか。そうでないと、タイ戦にこのメンバーを選んだ理由は薄れる。
だが一方で、今回外れた選手は、正月に休みを設けていないリーグ(イングランド、スコットランド、スペイン、イタリア、ポルトガルなど)に所属する選手たちであることも事実だ。ヨーロッパリーグで勝ち上がる可能性を残しているベルギーリーグの町田、ドイツブンデスリーガの堂安は選ばれている。アジアカップに欧州のカップ戦出場組という主力級をどこまで選ぶかは見えてこない。
欧州カップ戦の決勝トーナメントを戦う選手が、アジアカップでベスト4に残れば日程的にタイトになる。この兼ね合いをどうするか。前回は、三笘を招集したものの、日本代表に合流するやケガでイギリスに戻るという失態とも言うべき事件が起きた。三笘はベストな状態に戻るまで少なからぬ時間を費やすことになった。大一番となったヨーロッパリーグのAEKアテネ戦でも、いいパフォーマンスを発揮することができなかった。
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プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。