サッカー日本代表の1トップ争いに注目の新データ 浅野拓磨のポストプレーが成功、1歩リードか (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【サイドにスペースをつくって左右から効果的なクロス】

 いずれにしても、このカナダ戦では南野に加えて浅野も前線でターゲットになり、日本のサイド攻撃も機能した。前線中央で一度起点をつくることで相手がそこに引き寄せられ、それによってサイドにスペースが生まれやすくなるからだ。

 この試合で日本が記録したクロスボールは、前半9本と後半5本の計14本。多くの試合で最も多くのクロスを供給する伊東はこの試合でも5本をマークしたが、左右で比較すると、右サイドのクロスが7本、左も7本と、同じ本数だった。

 ポゼッションではカナダが53.6%と、日本の46.4%を上回っていたなか、速攻を中心に日本が効果的なクロスを左右から供給できていたと言える。ちなみに、伊東以外でクロスを供給したのは、毎熊、中山、中村、浅野がそれぞれ2本、南野が1本だった。

 9月のドイツ戦で先発したメンバーの多くを休ませた試合で、上々の攻撃を披露した森保ジャパン。初陣に臨んだ暫定監督が指揮を執るカナダが相手だったとしても、攻撃面でそれなりの収穫を得られた試合だった。

 果たして17日のチュニジア戦でも、同じような効率の良い攻撃を見せられるか。カナダ戦との違いが表れるのかも含め、要注目である。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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