谷口彰悟「自分にはもう、あとがない」日本代表招集に抱いた危機感「森保監督に3月に代表に呼ばれなかった理由も聞けた」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

 そこでは、日本人である自分たちの特徴を活かした守備のやり方、戦い方についても、自分の考えを聞いてくれ、また、監督としての考えも聞かせてもらった。

 そんな有意義な時間では、3月の活動で自分を選ばなかった理由を話してくれるとともに、自分のプレーに期待しているという言葉を投げかけてもらい、目の前がクリアになった状態で練習や試合に臨めた。

 また、6月の活動で選ばれた日本代表のなかで、自分は最年長だった。年齢でサッカーをやるわけではないとつづったように、最年長だからといって自分の態度を変えることはなかった。

 そのため、まずは自分のプレーや自分のパフォーマンスに集中しようと心がけた。実際、チーム全体がうまく機能していくように働きかけることや、チーム全体を見て行動することは、最年長になったからとかではなく、今までも考え、実行してきたことだったから。

 だから、あえて誰かと密にコミュニケーションを図るというのではなく、これまで同様、なるべく多くの選手たちと接する機会を作ろうと意識した。

 実際、日本代表に選ばれている選手たちはみんな、自発的に話をする。そのため、自分から率先して話をするというよりも、いつも以上に周りを見て、1人ひとりがどういった取り組みをして、どういった準備をしているのかを見るようにした。それによってチームの雰囲気やチームの空気が変わる、もしくは作られていくことをより実感できるように思ったからだ。

 6月15日に行なわれたエルサルバドル戦では、センターバックとしてスタメンで起用してもらった。個人的には、久々に日本代表のユニフォームを着て試合ができること、また3万7403人ものファン・サポーターの前でプレーができることに高揚感を抱きながら、ピッチに入場したのを覚えている。

 そして──開始早々の1分、セットプレーから日本代表初ゴールを決められたことには、自分自身も驚いた。

 得点シーンを振り返ると、FKの場面ではもちろん、ゴールを奪うつもりで相手ゴール前に入っていった。すると実際に、タケ(久保建英)からすばらしいボールがゴール前にきて、しっかりとヘディングで合わせることができた。

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