松木玖生「自分がきつい状況に追い込んだ」U-20日本代表、コロンビア戦「エースの不調」と「一番の敗因」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hector Vivas - FIFA/FIFA via Getty Images

 先制ゴールを決めた山根が語る。

「(シュートは)当たり損ねになってしまったが、みんなが(相手選手を)ブロックして自分をフリーにしてくれたので、あとは思いきって(足を)振るだけだった。(ボールが)うまく吸い込まれてくれてよかった」

 初戦に続く先制点。しかも、セットプレーによるワンチャンスを生かしてのゴールとあって、またしても日本は、したたかに悪い流れの試合をものにして、勝ち点3を手にしてしまうかに思われた。

 だが、そうは簡単に物事がうまく進まないのも、サッカーである。

 セネガル以上に技術とスピードに優れるコロンビアは、後半に入ると、さらにギアアップ。1対1の局面ではがされることが多くなった日本は、コロンビアのスピードに乗った攻撃をまともに受けるピンチを増やした。

「やられてはいけない時間帯でやられてしまった。冨樫監督からも(後半の)立ち上がりは集中しようと言われていたが、スキを突かれたというか、気の緩みもあったのかなと思う」

 そんなDF田中隼人の言葉どおり、日本は後半53分に同点ゴールを奪われると、わずか6分後にも2点目を失い、たちまち試合をひっくり返された。

 冨樫監督が振り返る。

「1点目を取られたのは仕方がないとしても、2点目をあの時間帯に取られてしまうというのは、私たちがそこをしっかりと耐えられなかったということ。それが、今日の(敗戦の)一番の要因かなと思う」

 しかし、逆転してもなお、コロンビアの勢いは止まらなかった。

「チームとして間延びする時間もあったし、1対1ではがされる部分も一人ひとり多かったと思う」(福井)

「やっぱりワールドカップは、局面ではがせる選手や強さを持っている選手が出てくる。ここはアジア(の大会)じゃない。デュエルのところは、自分たちはまだまだだと思う」(山根)

 ボランチを務めるふたりがそう話したように、1対1の局面で劣勢となった日本は、さらに3点目、4点目と失点を重ねる危険性もあった。それを思えば、よく最少失点差で終えた試合だったと言えるだろう。

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