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にわかに高まる「PK論争」。W杯ベスト8進出を目指す日本代表もその対策を考えるべきか

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 PK戦が今、にわかに注目を集めている。

 引き金となったのは、言うまでもなく、先に行なわれたワールドカップ。ドイツ、スペインを破って決勝トーナメントに進出した日本が、最後はクロアチアにPK戦で敗れてしまったことがきっかけだ。

カタールW杯の決勝トーナメント1回戦、日本はPK戦の末、クロアチアに敗れたカタールW杯の決勝トーナメント1回戦、日本はPK戦の末、クロアチアに敗れたこの記事に関連する写真を見る 日本は、過去にも大きな大会でPK負けを喫したことがある。

 ワールドカップでは2010年南アフリカ大会決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦、五輪では2000年シドニー大会準々決勝のアメリカ戦がそれだ。

 だが、いずれの時も、今回ほどPK戦に対する世間の関心(風当たり、と言ってもいいかもしれない)が高まることはなかった。それだけ今回のワールドカップは注目されていたのだとも言えるが、PK戦での"負け方"に違いがあったことも少なからず影響しているのかもしれない。

 というのも、過去2回のPK戦敗退例を振り返ると、どちらのケースでも日本のキッカーはひとりしか失敗していない。パラグアイ戦は駒野友一、そしてアメリカ戦は中田英寿だ。その失敗にしても難しいコースにボールを蹴り、それがゴールポストやバーに当たったものだった。

 ところが今回は、日本のキッカー4人のうち3人が甘いコースにボールを蹴り、相手GKにあっけなくセーブされての"惨敗"。大きなショックとともに、多くの人の印象に残ったのも無理はないのだろう。

 また、ワールドカップ閉幕からほどなく、全国高校サッカー選手権大会が行なわれたことも、日本代表のPK戦敗退がもう一度脚光を浴びる要因となったかもしれない。

 高校生たちが相手GKの届かないコースに強いボールをしっかりと蹴り、見事にPKを決めていく様は日本代表選手とは対照的で、非常に頼もしく映ったからだ。

 実際、選手権で見る高校生たちは、とてもPKがうまかった。「現場で見ていて驚いた」とは、日本サッカー協会の反町康治技術委員長の弁だ。

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