日本代表戦をブラジル代表はどう感じたか。「ファウルがひどい」と非難の嵐 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

日本に好意的だったのが試合後に一転

 誰も日本戦がこんな試合になるとは思っていなかった。

 試合前のブラジルのテレビのコメントは、日本に対しては非常に好意的なものだった。彼らは日本のサッカーの成長を語った。ここ20年間でこれほどの進歩を遂げた国はない。それにジーコをはじめとした多くのブラジル人がかかわっていることも、ブラジルの誇りだ。ブラジル人は日本人が思う以上に日本サッカーの成長を喜んでいる。今やW杯の常連となり、多くの選手がヨーロッパのチームでプレーし、今日はブラジルとも互角に戦えるかもしれない。

 解説としてスタジオに来ていた元セレソンのジュニオールは、ジーコが日本代表監督時代、スカウティングスタッフとして日本代表に同行したことがある。彼は日本の秩序のすばらしさ、やる気、学び取る速さを語っていた。ここまで成長したのは日本人の誠実さだとも言っていた。

 また、ブラジル戦のチケットが数分で売り切れたことも報道されていて、日本がまだブラジルにリスペクトを感じてくれることを好意的に受け止めていた。

 ところが、試合を見てからのジャーナリストたちの一致した意見は「とにかく日本のファウルがひどい」だった。グローボTVで解説者を務める元審判のサルヴィオ・スピントラは「あんなプレーを許した審判にも罪がある」と糾弾している。

「ファウルが数回続いたあと、キャプテンのダニ・アウベスは審判に"こんなファウルを日本が続けるなら、試合は続行できない"と言うべきだった。また審判は日本のキャプテンに"これからファウルをしたらすべてイエローを出す"と忠告すべきだった」

 ジーコはよく「日本選手はピッチでもあまりにも礼儀正しく、マリーシアがない」と嘆いていたが、これはもうマリーシアでもない。マリーシアとは、ロナウジーニョがするような右を見ていて左に蹴るようなトリックや、時間を稼ぎたいときに少し長めに倒れているといった、ちょっとしたずる賢さのことだ。背後からスライディングで倒すことでは決してない。それはただの暴力だ。多くの日本人選手が今ヨーロッパでプレーをしているが、彼らが日本人らしいフェアプレーを捨て、ファウルを学びに行ったのではないと信じたい。

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