日本代表の欠点がパラグアイ戦は劇的改善。ただし鎌田大地は引っ張りすぎた
2022年カタールW杯南米予選で8位に終わり、本大会に駒を進めることができなかったパラグアイは、アジア予選プレーオフ(UAE対オーストラリア)の勝者が、大陸間プレーオフで対戦するペルー(南米5位)より、一歩レベルが落ちる相手だと考えていい。
パラグアイのギジェルモ・バロスケロット監督によれば、主力選手の何人かが不参加だったそうなので、一歩ではなく二歩なのかもしれない。しかも地球の反対側で行なわれるアウェー戦だ。W杯本大会出場を逃した直後の試合となれば、モチベーションも低いことが予想される。ペルーより三歩落ちると言うべきなのかもしれない。
2010年南アフリカW杯の決勝トーナメント1回戦で岡田ジャパンと対戦したパラグアイなら、この4-1という大勝劇に小躍りしたくなるが、そうではなさそうな現実とどう向き合えばいいか。推理してもし尽くせないので、以下の原稿は2割、3割ほど盛られたものと割り切って、ご覧になっていただければと考える。
つまり、日本代表は久々にいい試合をした。なにより筆者がことあるごとに問題視してきた左右のバランスが取れていた。
鎌田大地、堂安律が復帰したパラグアイ戦の日本代表この記事に関連する写真を見る たとえば、オーストラリアとのホーム戦(3月24日)。後半44分まで0-0で推移することになった理由は、4-3-3の左から南野拓実、浅野拓磨、伊東純也の順で3トップを構成した前線の並びにあった。内に入り込み、トップ下然と構えたがる南野に対し、スピード系の2人(浅野、伊東)は近い距離で並んだ。キャラを相殺する関係に陥ったのだ。
また、左SB長友佑都の衰えも、左右のバランスを悪化させる原因となっていた。内に入りがちな南野の穴を埋めるだけの推進力が、長友にはもはやない。
南野、浅野、伊東の3人を前線に並べるのなら、真ん中好きの南野を0トップに据え、スピード系の2人を両ウイングとして左右に配すべきだったと、筆者は当時の原稿に記しているが、今回のパラグアイ戦では、そうした問題は一切、露呈しなかった。もとからなかったことのように雲散霧消していた。
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